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SAINT LAURENT

ベルトラン・ボネロ監督のサンローランを観てきました。

“イヴ” がついているほうのジャリル・レスペール監督作品(イヴ・サンローラン財団初公認)は未見なので、どちらがいいとは言えないのですが、
ギャスパー・ウリエルのほうが似ているのでは?

手脚が長く細長い体躯を居心地悪そうに傾け、ショーのフィナーレだというのに背中に回された手は片時も煙草を離さない。そしてゆがんだほほえみで拍手に応える。

そんな影のあるサンローランをうまく演じていました。



20世紀のモードのレジェンドなので、自分もそれなりに経歴を知っていましたが、新しい作品を生み出す苦悩だけでなく、アルコールや薬への依存や精神疾患、同性との危険な恋愛関係など、光と影の影の面が丹念に描かれていたと思います。

それにしてもサンローランが強く惹かれたというジャック・ド・バシェール。
黒い髪、黒い瞳のあまやかな美男子でしたが、なんとカール様の恋人でもあったとのこと。

AIDSにより孤独な最期を遂げたという彼。
→ カール・ラガーフェルドを「私の皇帝」と呼んだ男 ジャック・ド・バシェール (海外サイト)
映画ではテディベアが効果的に使われていました。 


サンローランの最盛期は70年代くらいまでじゃないのかな?
今の若い人たちには全く知らないことばかりなのでは?というようなエピソードもたくさんちりばめられており、よく調べてありました。
(監督は私と同じ年齢です。)

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彼が男性用香水のためにヌードになるところ、カメラマンのジャンルー・シーフのアングルになっています。


こちらも。ヘルムート・ニュートンが、スモーキングジャケットのこの写真を撮るところ。
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もう一人の女性モデルが寄り添い、モデル同士がおしゃべり。そこに写真家からポーズの指示が入ります。
この演出は凄くかっこよかった。
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長くて途中ダレるように感じたところもありましたが、エンディングでの1976年の伝説的なコレクションを再現したシーンは素晴らしかったです。

テーマはバレエ・リュス。
https://youtu.be/FfsnSfFmObc

YTで見るよりも色彩が鮮やかで、公認が得られず財団のアーカイブを借りることもできなかったのに、色彩、素材、ディテールも鮮明で、まるでコレクション会場にいるような気がしました。



老年のイヴは、ビスコンティ映画で美男子を演じてきたヘルムート・バーガーです。
こちらは本人よりも静謐な感じでした。
(イヴ本人のほうは画像で見る限り、最後まで毒気が抜けていないような感じだった)
話し方が本当に上手くて、うなりましたが、これはなんと、ギャスパーのアテレコだそうです。演技力スゴい。



レアちゃんは初め??な感じでしたが、ルル・ド・ラ・ファレーズご本人を見ると、屈託のない笑顔と明るいオーラが似通っているでしょうか。
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左がシャネルから引き抜いてきたモデルのベティ、右がルル。
サンローランのミリタリールックを身に着けています。

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同じころなのかな? ルルの2度目のウェディングドレス。
ハーレムパンツでこれもサンローランのようです。

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イヴのこの笑顔。

この映画の中で唯一といっていいほどの光の部分。
トレードマークのターバンや蚤の市で買った古着の着こなしも可愛いです。



サンローランによって、20世紀の女性ファッションは大変革を遂げました。
DAZEDのインタビューでも、本人はもっとも好きな作品はスモーキングジャケットだと答えています。

Dazed & Confused: Of all the things you have ever designed, which is the one thing you most cherish?

Yves Saint Laurent: The smoking jacket because it gave freedom to the woman. It also gave the woman the confidence to feel beautiful.


エディのスモーキングへのオマージュ。
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未見だった方も観てみようっと。



☆おまけ☆

メゾンのマヌカンたちと、若き日のイヴ。
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中央後ろのマヌカンが来ているトラペーズラインのドレス
そうそう、そういえばこれを師匠に習ったのですよね (笑)。

ブログには上げていませんが、スモーキングっぽい黒のパンツスーツも作ったなあ。
あれ、太ったら着られないんだけど、まだイケるだろうか…。
by solferino | 2015-12-24 13:38 | お出かけ記(バレエ以外)
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