人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 「エリック・サティとその時代」 展 こどものためのバレエ シンデレラ >>

オーチャード・バレエ・ガラ

この時期、東京には世界のトップダンサーが集結。

私には上野のガラは少し重たいので、海外で活躍する日本人ダンサーを集めたこちらのガラに行ってきました。





2015年8月1日(日)13:00
オーチャードホール


オープニング
『レ・プティ・リアン』
振付:山本康介
音楽:モーツァルト
出演:金原里奈(2015年ローザンヌ国際バレエコンクール受賞)、田中美羽、赤名進太郎(Kバレエ スクール)


BRBで活躍された山本康介さんによる指導・振付。
モーツァルトがバレエ曲を作っていたとは知らなかったけれど、組曲のうち3曲くらいを使っていたかしら?
どれも美しい小品で若いフレッシュな3人にぴったりでした。

les petits riensとは、ちょっとした取るに足らない小さなこと、という意味だそうです。

音源はコチラ。


熊川哲也 プレゼンテーション

熊川さんのお話、少し皮肉も交えた辛口トークは相変わらずでしたが、熱い気持ちは伝わりました。
(といっても長くて、開演前に一杯飲んでいた私は8割がた眠っていたのでした…)


『ラ・シルフィード』より
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:レーヴェンショルド
出演:野村千尋、松井学郎(ノルウェー国立バレエ)


2004年のローザンヌの決戦でジェームズを踊った松井さん、すっかり大人のダンサーになっていました。
当時も褒められていた美しい足さばきとジャンプ力は健在。
残念だったのは舞台の一番奥の壁と床の境に黒い部分があって、黒いソックスの彼のつま先がはっきり見えない時があったことです。

シルフの野村さんは登場の瞬間、「あら、日焼けしてるわ!」と思いましたが(笑)、視線のはっきりしたチャーミングなダンサーで、いたずら好きな妖精らしくて魅了されました。


『アスフォデルの花畑』より  *2日(日)のみ
振付:リアム・スカーレット
音楽:プーランク 「2台のピアノのための協奏曲」より
出演:崔由姫、平野亮一(ロイヤル・バレエ)


それはもう大変に美しかったです。
ユフィさんはこれまでも何度か拝見していたので今回も楽しみにしていた方だったのですが、平野さんってこんなに素敵なダンサーでしたっけ?

衣裳はカラーやディテールは中世のドレスや騎士のスタイルのようなのに、カッティングが現代的で、面白いです。
ぜひ全幕で見てみたい作品です。
オーチャード・バレエ・ガラ_f0231256_15201463.jpg

オーチャード・バレエ・ガラ_f0231256_1520438.png


『海賊』より“グルナーラとランケデムのグラン・パ・ド・ドゥ”
振付:マリウス・プティパ
音楽:オルデンブルク公爵、ドリゴほか
出演:飯島望未(ヒューストン・バレエ)、猿橋賢(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)


なんて美人さん!というのが最初の印象でした。手足が長く、華奢で、そして華やか。現代的なダンサーさん。
インスタでとても人気だというのも納得です。→ 

衣裳はカラフルなセパレーツのチュチュタイプ。

この奴隷のPDD、特にガラ公演なら華やかなセパレーツのほうが映えると思いますが、団のものだったのか、お盆も大きすぎ、ローウエストになりすぎで、胴がたくさん見えていて可愛そうでした。

ですが、踊りはバランスも回転もしっかり見せ場を作っていて良かったです。

ランケデムは少しおとなしめだったでしょうか。


『レ・リュタン』
振付:ヨハン・コボー
音楽:ヴィエニャフスキ「カプリース イ短調」(クライスラー編曲)より、
   バッジーニ「妖精の踊り」より
出演:奥野凜、堀内尚平、吉田周平(ルーマニア国立バレエ)
ヴァイオリン:成田達輝
ピアノ:高橋望


素敵な作品、とても好きなんだけれど、男性二人にもう少しエスプリ、外連味が欲しかったです。

出だしはどことなく緊張感が漂って硬い感じでしたが、奥野凜さんが登場してからは空気が変わり、ぐっと良くなりました。
ピアノとヴァイオリンの二人も良かったです。やはり生演奏が良いですね。


~休憩~

『眠れる森の美女』より
振付:マリウス・プティパ
音楽:チャイコフスキー
“第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ” 
出演:倉永美沙(ボストン・バレエ)、木本全優(ウィーン国立バレエ)


木本さんが王子らしくぐっと素敵になっていた!
サポートも万全で安心のPDDでした。眠りではハラハラしたくないです。

倉永さん、ゆっくりした曲の中にも緩急をつけて、頭のいいダンサーなんだなあと感心。


『コンチェルト』第2楽章  *2日(日)のみ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第2番」より
出演:金子扶生、平野亮一(ロイヤル・バレエ)


今回のロイヤル組、本当に素敵でした!
ことばに尽くせないほど、最初から最後まで目が離せなかったです。

男性はシンプルなオレンジのユニタード、女性は同色のスカートつきのレオタード。
こちらは照明の効果も高く、美しい動きとシルエットを堪能しました。



『白鳥の湖』より“第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ”
改訂振付:熊川哲也
音楽:チャイコフスキー 
出演:崔由姫(ロイヤル・バレエ)、山本雅也、杉野慧(Kバレエ カンパニー)


Kバレエカンパニーの王子とロットバルトを従えての黒鳥のGPDD。
清楚なのに怪しさもあって良かったんだけれど、熊川版の少し五月蠅い(失礼)衣装と演出は、彼女には過剰でした。
ユフィさんはむしろオディールで見たかったというのが本音です。

杉野さんのen dehorsが気になりました。


『精密の不安定なスリル』
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:シューベルト「交響曲第8番 ザ・グレート」より
出演:橋本清香(ウィーン国立バレエ)、飯島望未(ヒューストン・バレエ)、椿井愛実(ロイヤル・ウィニペグ・バレエ)、木本全優(ウィーン国立バレエ)、三野洋祐(ロイヤル・ウィニペグ・バレエ


清香さんをもっと見たかったです。これひとつだけとは…。



オーチャード・バレエ・ガラ_f0231256_14551722.jpg

衣裳は男性はパープルのユニタード、女性は黄色という色使い。どちらもバックスタイルはほぼシースルーです。
オーチャード・バレエ・ガラ_f0231256_14573295.jpg

女性のほうのお盆はひらっぺたい円盤状で軽く、フォルム、色使いともども大変にモダンでした。



『CROIX』
振付:遅沢佑介
音楽:チャイコフスキー「組曲第3番」より
出演: 全員


オープニングアクトの3人が登場し、しばらくしてから同じコスチュームに着替えた出演者が揃ったエンディングは華やかで、公演の締めくくりにふさわしかったです。



オーチャードはあまりバレエ公演には向いていないと思いますし、照明もいまひとつ、音楽も録音ばかりなのは残念でしたが、この時期に二日間の公演をほぼ満席にしたというのは凄いなあと。

新国のダンサーさんや関係者の方も多く見受けられました。



ちゃっかりKの次回公演や若手の売り込みをするところも許せちゃいますね。

by solferino | 2015-08-03 15:05 | バレエ鑑賞記
<< 「エリック・サティとその時代」 展 こどものためのバレエ シンデレラ >>