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この夏のガラコンサート

この日曜日から夏休みに入りました!





夏は海外バレエ団で踊っている日本人ダンサーが帰ってきてガラコンに出演してくれるという美味しいシーズンでもあります。

今年もまたローザンヌ・ガラは取れなかったのでSHOKOさんは見られないけれど、わりと同じメンバーが出演するこっちのガラへ行ってきました!


バレエ・アステラス2010です。

1日だけの昼夜2公演でした。われわれは夜の方へ。

ライモンダの前奏曲からスタート。生オケです。ラッキー♪

☆第1部☆
【オープニング】

『ワルツ』
新国立劇場バレエ研修所研修生

牧先生振付によるグノー作曲の演目。予科生たちはまだ中学生ですよね?小枝のように軽くてしなやか。

手書きで水彩画を施したようなプリントの衣装は新調のよう。この演目、次回の研修所発表会でも同キャストで披露するみたいです。


『海賊』パ・ド・ドゥ
佐久間奈緒 (バーミンガム・ロイヤル・バレエ団) - 厚地康雄 (バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)


今回見たかったゲストのひとり、佐久間さん。ビントレーとのつながりで出演してくれたのでしょうか。2年前くらいかな、BRBが来日したとき彼女の「美女と野獣」を見られなかったので、今回期待していました。

演目も夏らしく「海賊」。メドーラのVaは森の女王Ver.でした。

踊りは非常に丁寧で華がある。海外でプリンシパルとして活躍しているだけあります。
男性もよかったです。トップバッターとして流石!の貫禄でした。

衣装はメドーラが真紅でアリが空色っていうのがちょっとコントラスト悪かったです。



こちらの映像でもリハを見つめるビントレーさんのまなざしが暖かい。
(シルビアのピチカートソロです)



『ジゼル』第2幕のパ・ド・ドゥ
菅野茉里奈 (ベルリンベルリン国立バレエ団) - ライナー・クレンシュテッター (ベルリン国立バレエ団)

知らない方でしたが、背が高く手足が長く、柔軟性も高い恵まれた資質をお持ちのダンサーでした。

純白のロマンティックチュチュは薄くて軽いチュールの重ねが多くて、本当にキレイ。袖フリル布が見たことのないほど長くて、羽根と見紛うほどでしたが、彼女の腕の長さをよく引き立ててましたね~。

テクニックもさることながら情念を感じさせる踊りで、ミルタだったらはまることでしょう。 日本人離れした大人っぽいジゼルで、でもフレッシュなところもあり好きでした。


『アラジン』第2幕のパ・ド・ドゥ
小野絢子 (新国立劇場バレエ団、第3期修了生) - 清瀧千晴(牧阿佐美バレヱ団)

彼女のバレエに対する真摯な姿勢と純粋さがオーラを形成するのでしょうか、登場しただけで感動を与えるダンサーです。こんなふうに涙がこみ上げるのは小野さんと都さんだけ。

パートナーが新国の男性ではなかったためか、リフトなどに危ういところもありましたが、とにかく小野さんを見ているだけで幸せになれる!

来シーズンのアラジンの宣伝も兼ねてるのでしょうが、期待大!です。

今回はこのパドドゥ↓


ビントレーさんのお好みはピュアでリリカルな日本人女性ダンサーのようですね。


『オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト』(振付:D.ドウソン、音楽:M.リヒター
戸川有香 (ドレスデン国立歌劇場バレエ団) - オレグ・クリミュク (ドレスデン国立歌劇場バレエ団)


唯一のコンテ。女性は素足にポワント(つや消し)です。男性との身長差が大きいのですが、身体能力が高く、音楽性にあふれていて、とても力強いパドドゥでした。
女性の振り回されっぷりがスゴイ! 片足とか片手だけで、床面から50センチくらいの中空を遠心力がつくほど強く回されていました。



『くるみ割り人形』パ・ド・ドゥ ※ジェフリーズ版
富村京子 (香港バレエ団) - 藤野暢央 (香港バレエ団)

かなりアクロバティックな振付で、全く胡桃のGPDらしさはなくなってましたが、ある意味面白かったです。

同じ日本人ダンサーといっても、所属している団によって違いがあって、メイクや顔の付け方にお国柄が表れますね~。

この夏のガラコンサート_f0231256_1504957.jpg個人的には女性の方はテレプシコーラの茜ちゃんに似てると思いました…。
山岸涼子 「テレプシコーラ」より


☆第2部☆
『パスティチオ・ロマンティコ』パ・ド・ドゥ(振付:J=G・バール、音楽:オーベール)
藤井美帆 (パリ・オペラ座バレエ団) - ヤニック・ビッタンクール (パリ・オペラ座バレエ団)


オペラ座でがんばる美帆さんのバール振付による創作バレエ。曲もオーベールですし、コスチュームもそのままラ・シルフィード、男性は白ドレープシャツ・ジレ・タイツという王道ロマンティックバレエらしい作品でした。

彼女の上品な感じによく合っていたし、パートナー男性も非常に検討。足先のきれいな若手くんでした。


『シンデレラ』第2幕のパ・ド・ドゥ
さいとう美帆 (新国立劇場バレエ団、第1期修了生) - 芳賀望 (新国立劇場バレエ団)


さいとうさんの当たり役、シンデレラ。
芳賀さんとの組み合わせは初なのでしょうか?ちょっとタイミングが会わない部分があったように感じました。

チュチュは少したわんでいましたが、思いっきりイギリス風の重厚な作りで飾りも素晴らしく、ロイヤルらしさを堪能しました。



『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
倉永美沙 (ボストン・バレエ団) - ジェイムズ・ホワイトサイド (ボストン・バレエ団)


この演目、素晴らしかったです~。
このふたりも身長差がありましたが、女性が伸びやかで音楽的で、すばらしい出来でした!

あんなに小柄な体にどんなスタミナがあるのでしょう~!
終幕の盛り上がり(この日オケがものすごくガナるタイプでした)にボルテージが上がりまくり、会場も沸いていました。

↓と同じ衣装でしたが、ちょっと下にずれてフィッティングされていたようで残念です。ほんのわずかなことでバランスが左右されますね~。

サンパウロバレエ団だそうです。男女のヴァリはカットされていて残念~。

『ドン・キホーテ』パ・ド・ドゥ
加治屋百合子 (アメリカン・バレエ・シアター) - ジャレッド・マシューズ (アメリカン・バレエ・シアター)


若いのに貫禄はマダム並みな加治屋さん(笑)がトリを!

見得の切り方、バランスの誇示、フェッテの正面1/4ずらし、すべにおいてサービス過剰なのがABTらしくてよかったです(笑)

日本国内で踊ってるダンサーにはあまり見られないアクの強い自己表現。

人一倍頑張り屋さんなのはよくわかる。やっぱりくどいけど…。


衣装はこれと同じ、シャンパンゴールド×真紅のクラシックチュチュ。
件のフェッテは前半16拍がシングルシングルダブル、後半が1/4ずつ正面を変えるといった神業でした☆



【フィナーレ】  出演者全員
牧先生振付による全員のフィナーレ。

最後はお決まりのキラキラが天から降ってきて大喝采!

わずか数時間で世界のバレエ団を見学できた印象。
非常にお買い得なガラでした。マチソワすればよかったわ~。


里帰り公演ということもあって、ダンサーのご家族、日本での先生方も大勢いらしていたみたいで、アチラコチラでご挨拶合戦が繰り広げられてました。

在日本の大先生方もそろい踏みで、近くに座っていた友人によると、ちょっと怪しいところがあるたびに先生たちにざわめきが走っていたそうです。笑


夏休み特別企画ということで中劇場のホワイエには新国所有の衣装が展示されていました。
リラ@眠りこの夏のガラコンサート_f0231256_14253238.jpg

仙女@シンデレラこの夏のガラコンサート_f0231256_14253222.jpg


このあとまたしても美味しいものを食べに行きましたが、長くなったのでまた別の機会に!
by solferino | 2010-08-02 14:25 | バレエ鑑賞記
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