駆け込みで間に合った。
バルテュスでは深みのある色使い、特にさまざまな素材の赤が心に残った。
スカート、スリッパ、ソックス、ビロードの椅子、じゅうたん、赤毛。
官能的でもあったけど、むしろ錆びや渋みを感じた。
そして同じく最終日の法隆寺展へ。
一人で模写を完成させたという秋田の孤高の画家、空如を見に。
久しぶりに夏休みに奈良に行ってみたいと思った。
炎天下の飛鳥を自転車で走って、貸切のような法隆寺と五重塔の上の青い空を見た。
蝉の声だけが聞こえていて、まるでずーっと変わってないような錯覚。
またそんな空気に会えるかな。