いよいよ今シーズンも最後の演目。
絢子さんのジュリエット全幕デビュー公演でした。 *staff* 振付:ケネス・マクミラン 作曲:セルゲイ・プロコフィエフ 舞台美術・衣装:ポール・アンドリュース 照明:沢田祐二 指揮:大井剛史 管弦楽:東京フィルハーモニー管弦楽団 *cast* ジュリエット:小野絢子 ロメオ:デニス・マトヴィエンコ <マリンスキー劇場> マキューシオ:八幡顕光 ティボルト:マイレン・トレウバエフ ベンヴォ―リオ:芳賀望 パリス:貝川鐵夫 キャピュレット卿:森田健太郎 キャピュレット夫人:楠本郁子 乳母:堀岡美香 ロザライン:寺田亜沙子 大公:内藤博 ロレンス神父:石井四郎 モンタギュー卿:小笠原一真 モンタギュー夫人:千歳美香子 3人の娼婦:湯川麻美子 西川貴子 丸尾孝子 ジュリエットの友人:さいとう美帆 高橋有理 西山裕子 長田佳世 米沢唯 ロザラインの友人:川村真樹 マンドリン・ソリスト:江本拓 マンドリンの踊り:アンダーシュ・ハンマル 小口邦明 清水裕三郎 田中俊太朗 原健太 新国での上演もなんと7年ぶり (前回は2004年4月) だそうです。 なので私としても新国では初めての演目。 美術と美術はBRBと同じなのかな? 美術セットの色合いはいつもながらイギリス系らしく重厚でシック。 衣装は素材はゴージャスですが、デザインはロイヤルよりはシンプルだったような気がします。 小野さんのジュリエット、数年前に紀子シアターでバルコニーのPDDをみて以来、楽しみにしていました。 可憐な少女である1幕から、意思の強い女性として死を選ぶことになる終幕まで、観客を離さずドラマに引き込んでいったと思います。 演目そのものも他のクラシック作品に比べドラマ性が強く、必然的に場面展開も多くなります。 特に広場・ジュリエットの部屋・キャプレット家の前・舞踏会・バルコニーなど計6度も場が変わる1幕は、目くるめくストーリー展開で追うのが大変なほど。 ジュリエット以外のキャストの中では、ティボルトを演じたマイレンがとっても良かった! ティボルト (とマキューシオ) が魅力的であることがこのドラマをリアルにする要素の一つかと思います。 残念ながら2幕以降少し入り込めなかったのは、ロメオを演じたマトヴィエンコによるものだったのかな~。 プロポーションやポーズなど無論日本人キャストより抜きんでているのですが、サポートにほんのわずか遅れが生じたり、回転の際に歯を食いしばっているような力みがあったり、と少々鼻白むことがありました。 そういう小さなことこそ影響が大きいということですね。 とはいえ、終演後のワタシはまるで中世のヴェローナにタイムスリップしてきたかのように現実感が失われており、その日の午前中に何をしていたか思いだせないような感覚に陥っておりました 笑。 今回はこの1回しか観ることができないので、7年後と言わず数年後にまたぜひ再演してもらいたいです。 ☆おまけ☆ マクミラン版ではオリジナルのシェークスピアの作品にあるような、少々猥雑で下品な雰囲気までも再現されてます。 本筋に関わりないサイドストーリー (娼婦とのすったもんだとか)が描かれて、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、イギリスらしいって言えばらしいし、マクミランっぽいって言えばぽい。 これまでみたロミジュリの中では2008年のナチョ・ドゥアトのが個人的には素晴らしかったです。 土臭くてオーガニックで、情熱的で純粋で。 知っているダンサーは一人もいなかったけれど、終幕は感動で涙が止まりませんでした。 (そしてマクミラン版に比べ、ラストに救いがあったような気がする) ドゥアトがスペイン国立バレエを離れた今では、もう二度と見ることができません。 新しく芸監に就任したレニ国でいつか持ってきてくれないでしょうか…。 切に願います。
by solferino
| 2011-06-27 23:29
| バレエ鑑賞記
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