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新国コンテ 4本立て

コンテも素晴らしい! 
新国の底力を見ました☆





もうすぐシーズンも終わりですね。
今夜は珍しく中劇場でのコンテ4本立てでした。

*ジョージ・バランシン 『セレナーデ』 〈再演〉 
ご本人たちのブログを見て楽しみにしていましたが、一番動きの激しい役 「ロシアンガール」 がひろみ姫でした。

素晴らしい。跳ぶ!廻る!ぴたり!
どんな小さな音も全部ステップに乗せて、一番光っていました。

厚木さんはいつものようにラインが美しくほれぼれ。
もうひとりのソリスト、身体がくっつきっぱなしのアダジオを踊られる堀口さんも、上体も脚も非常にきれい。これからも楽しみです。

オープニングは、月明かりのような青い照明の中、白いロマンティックチュチュの女性の群舞で幕が開きます。顔の付け方、手首の降り方、ポーズの一つ一つが揃っていて、プロポーションとテクニックのレベルが整った新国の本領発揮でした。

国内でこの作品、このレベルで上演できるのはここだけですよね~。
前回見たときより感動がありました。

このチャイコのセレナーデだけ生オケ。指揮者の方の鼻息がダンサーよりも荒かったのがちょっと残念…。


*井口裕之 『空間の鳥』 
これから見られる方もいるかと思いますので、さらっと。
初めは男性だけの疾走感のあるシーンでした。途中から女性がひとり。今日は真忠さん。
K川さんもコンテのほうがイキイキだな~。目が吸い寄せられました。

ダンサーの美しい身体の作り出すフォルムを堪能できる作品です。
新国出身の振付家、井口さんもカーテンコールに出られていました。

*ナチョ・ドゥアト 『ポル・ヴォス・ムエロ』 〈再演〉
昨年ナチョのロミジュリを見て、あまりの感動を言葉に現せられず、ブログには書いていなかったのですが、本当にいい!

独特の、土臭いのに洗練されて、ユーモアとウィットに満ちていて、そして生命力にあふれている世界が大好きになりました。

あなたのために死ぬ、という詩がテーマだそうですが、その朗読と、スペインの民族音楽、マドリガル?のような曲に乗せて男女10人?で踊られます。

時にペアで、時に3人で、ひとりで、全員で、と短いピースで構成されています。

中世のようでもありつつ非常に現代的。

ダンサーは交代出演です。

M島さんのキュートな面もよく出ているし、移籍のF川さんもとっても楽しそうに踊ってらっしゃいました。

小野さんもベテランに混じって大健闘。

衣装の色や素材、照明も美術も大好きです。再演希望!


*トワイラ・サープ 『プッシュ・カムズ・トゥ・ショヴ』 〈新制作〉
初見です。バリシニコフの超絶技巧で有名になった作品だそう。

不思議な衣装です。男性はロシアのコサックダンスふうベロアの垢抜けない上下、そこへ女性は30年代のモダンなキャバレーガールふう。
チャップリンのかぶるような帽子がうまく使われていました。

わりと長めの作品ですが、たぶんクラシックの型にはまった美しさに対して、ユーモアと皮肉をぶつけているんだと思われます。
が、残念ながら観客はついていけてないみたいでした。

帰ってからYOU TUBEでミーシャの映像を見ましたが、観客大いにウケてますね~。
(今夜はミーシャ:マトヴィ、パープル女性:川村さん、 ピンク女性:本島さん というキャスト)

川村さんがモンローのようなホルターネックのドレスにウエーブヘアで、いつもと違った表情とダンスできれいでした。

いつもははんなり色白日本美人なのに、彼女はどんな役にもなりきれる女優さんですね~。川村さんを見られたので満足。

あ、でも明日あさっては福田さんと小野さんか。
これも見てみたい気がする。


よく言われていることですが、現代のダンサーはクラシックもコンテも両方こなせないとダメなんですね。
観るこちらのほうも両方に目が開かれていないと。

初めてコンテを見た数年前は退屈で眠たくなっていたのですが、わたしも開かれてきたかな~。

本業の方でも言えることですが、新しい美の価値観を作り出すつくり手に対して、いつも先入観なく、ピュアでありたいと思います。
by solferino | 2009-03-26 11:25 | バレエ鑑賞記
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