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生まれ変わったら影になりたい

初めて一つの演目を複数回観てしまいました。

新国のラ・バヤデール (牧先生版) です!





いわば三角関係のどろどろ、ハッピーエンドでもないストーリーですが、初演時にはヨーロッパの人々を夢中にさせた東洋の神秘的な美術や、全体的に流れるもの悲しさみたいなものが好きなのでしょうか。

そしてなぜかバヤの音楽が大好きで、レッスンCDもバヤだとやる気になります。
悲劇と救いの両方が調和した名曲だと思います。


さて、先週火曜にシーズンチケットで行った公演があまりにもよかったので、某オークションで落としてしまい、今日も行ってきました。

まず、オケがよかった。アダジオが多いあの曲たち、音を外されたらやっぱり興醒めしてしまうでしょう。
ただ、時間の制約があるのか、特に1幕は思った以上に曲のテンポが速いと感じました。

でも今後も東フィル、指揮者バクランさんでお願いしたいです☆



それからこのプロダクションは美術・衣装も素敵。
20日は1階席、今日は3階席で見ましたが、ヨーロッパ人の思い描く、本当は実在しない桃源郷のようなオリエンタリズムがうまく表現されていると思います。

美術はアリステア・リヴィングストンという方なのですが、デザインの主要な視覚的シンボルは 「森」 だそう。 (プロダクションノートによる)
インドネシアの影絵を思わせる、切り絵のような葉の重なりのセットが特に印象的でした。


そのセットと衣装の色の調和も素晴らしい! もともとdries van notenが大好きな私は、ハーレムパンツやパンツonスカートの衣装には大満足です。

色自体は淡いピンクやエメラルドグリーンといったイタリアルネッサンスのようなヨーロッパ調ですが、そこに効果的に使われたゴールドが東洋趣味を演出しています。。。
日本人にもよく似合うし、品よくまとまってました。

ただソロルの衣装は地味だ~というみんなの意見。 グレーのリノに一体化しがちでした 笑。
ニキヤのブルー、ガムザのオレンジのサリー風衣装は素敵でした。たぶん本当にサリー生地なのでしょうね。


影の幕でザハが着ている、お盆が葉っぱモチーフの白チュチュは、
「ボディ部分が彫刻のように美しい」
という噂の、大井先生製作なんでしょうか~。 噂に違わずすばらしい出来上がりでした。

(余談ですが、ラクロアが衣装デザインしてルテスチュたちが主役を務めたパリオペのバヤって映像化されないのかしら~。衣装展を見てから気になってて。)



さて、今回私が見たザハ主演の二日間のうち、ガムザ以外のキャストはほぼ変わらず、キャストを再確認できてかえってよかったのですが、ザハ本人は20日のほうが調子がよかったみたいです。

でも両日とも婚約式のアダージオは最高の出来でした。上体はねじったまま、シュスから片足アチチュードに抜いてアラベスクに移行~なんてありえないバランス力。
ザハさまの美しく柔軟な体を存分に生かせるアダジオ満載のこの演目、わたしはぐるぐる回る回転系の演目より好きかもです。

もちろんグランジュッテも大得意だと思われますが、1回、2回、3回と大きくしていくところなどでは後ろ足が外れるんじゃないかと思うくらい、200度開脚してたほど 笑。

プティパ振り付け作品の中でも際立ってマイムの多い演目だと思いますが、ザハはマイムが意外に大げさでした~。他のプリマのときもそうだったのかしら。

マトヴィも王子よりこういう民間人が似合っていると思う。あんなに跳んだりはねたりしているのに、ぜんぜん足音がしなくって、しなやかで力強い脚さばきに拍手喝采でした。


といっても私がもっとも感動したのは、ヒマラヤから降臨してくる影たちのコールド。正直泣けました。

先頭は小野さんです! アロンジェの手とアラベスクの脚のラインが左右対称。そして先頭さんだから39回あのポーズをしていたらしい。 (友人カウントによる)

32人の影たちは、映画なら後ろのほうはCGだろうなというくらい揃っていて、アラベスクの軸足の前後が一本線上に並ぶところが凄すぎです。
アラベスクの永遠性・永続性をこれほど感じたことはありませんでした。

あまりに感動したのでアンケートも書いてきました。

ちなみに婚約式場面ではガムザよりピンクチュチュの小野さんと西山さんのチームばっかり見てました。
二人の息が合っていて、とっても可愛かったです。

またぜひ再演を希望します~。


生まれ変わったら影になりたい_f0231256_14354255.jpg☆おまけ1☆
終演後、同じように今日も来ていた友人とオペラシティ内でポルトガル料理をいただきました。

初めて食べた、「カタプラーナ」という、ブイヤベースのような蒸し鍋料理が美味でした。
ワインも美味しかったし、また行きたいです。


☆おまけ2☆
明日は来期のシーズンチケットが届きます。
小野さんのサインもあるのでしょうか♪
わくわくしてます。
by solferino | 2008-05-24 23:15 | バレエ鑑賞記
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